TwitPaneからぞーぺんへ

こちらは FediverseAdvent Calendar 2023 第二会場 17日目の記事です。

TwitPane&ぞーぺん周辺の今年1年の出来事と、ぞーぺんのおすすめポイントなどの紹介を書きましたのでご興味がありましたらどうぞ。

TwitPane の停止とZonePane(ぞーぺん)の開発

2023年1月、TwitterクライアントのTwitPane(ついっとぺーん)が突然終了することになりました。

Twitter(現X)関連アプリとしては「ついぺんリサーチ」やTwitPane Limited、「ついぺんリサーチR」と引き継ぎ、現在も自分用として細々と維持していますが、事実上開発は中断することになりました。

ついぺんちゃん

これと並行して開発を始めたのがMastodonやMisskeyに対応したアプリ、ZonePane(ぞーぺん)です。ぞーんぺーんは言いにくいのでぞーぺんです。

ぞーぺん君

元々 TwitPane の兄弟アプリとして開発していた Mastodon 対応アプリの MastoPane がありましたが、これとは全く別に Mastodon 向けのアプリとして開発を始めたのがぞーぺんです。

MastoPaneのマスコット、ますぺんさん

本記事ではぞーぺんの紹介と他のアプリにはない特徴、おすすめの機能などを紹介したいと思います。

ぞーぺんのコンセプト

TwitPane終了という残念な経緯もあり、ぞーぺんを開発する上での一番のコンセプトとしては 「ついっとぺーん(TwitPane)のユーザーさん向けに他SNSへの移住先となる環境を提供する」 ということを考えています。

Mastodon/Misskeyってなんやねん?」という方に向けて、とりあえずぞーぺんを使ってもらえれば、慣れ親しんだUI/UXで新しいSNSに馴染んでもらえるように意識しています。

もちろんこのコンセプトはぞーぺんにとどまるものではなく、タイッツーやBluesky、Threads(API提供の可能性がちょっぴりあるらしい?)に向けても考えていて、これらのSNSに対応したアプリを用意できればいいなぁ、と考えています。

ぞーぺんの主な機能

ぞーぺんはMastodonやMisskeyの主要な機能を概ねカバーしています。

また、MastodonではFedibird(fedibird.com)やkmyblue(kmy.blue)の独自拡張(特に絵文字リアクション)にも対応しています(サークルや相互のみ投稿など対応できていない機能もあります)。

同様にMisskeyでは最新版だけでなく、misskey.devのようなv11系、フォークであるFirefish系にも対応しています。

※ぞーぺんが対応している全機能の一覧を書いても長くなるだけで見づらいので割愛しますね。

ぞーぺん特有の機能紹介

他のアプリには見られない特徴的な機能をいくつか紹介していきます。

未読管理機能(未読・既読位置保持機能、続きから読むサポート機能)

多くのAndroid向けTwitterクライアントがある中でTwitPaneが支持されていた理由の1つに強力な「未読管理機能」がありました。

これは「前回閉じたところの続きから読む」機能で、ぞーぺんにもそのまま搭載されています。 Android特有の謎の振る舞いでアプリが急に閉じたときであってもきちんと「どこまで読んだか」を保存するのは泥臭いノウハウの世界だったりします。

逆に「遡上」と呼ばれるような「新しい記事⇒古い記事」に読み進めていくときであっても、どこまで読んだかが記憶されるのは大事ですね。

Twitter(おっともうXでしたっけ)やMastodonの公式アプリは割と刹那的な「最新のタイムラインを読む」ことがメインのようで、未読管理はサードパーティーアプリのサポート範囲という感じがしますね。Xのサードパーティーアプリなんてもうないですが。

自動更新機能

ホームタイムラインやリスト、通知などを例えば「10分おき」のように、自動的・定期的に巡回し、投稿を溜め込んでくれる機能です。 そのため前項の「未読管理機能」との相性もいいですね。

言い換えると、ぞーぺんがまだ対応していない「ストリーミング」の代わりとも言えます。

電波が悪い環境に行く前に溜め込んでおくのも便利です。

ちなみに本機能はもともとTwitPaneの2022年の目玉機能でした。 内部的に数ヶ月かけて大きく作り替えて、年末にようやく完成し、年明けにブラッシュアップしていこうとしていたところ、1/13(金)のアプリ停止を迎えました。

新着絵文字

Twitter(おっともうXでしたっけ)と比較したときのMastodonやMisskeyの大きな特徴がカスタム絵文字(および絵文字リアクション)かなと思います。

(2017年頃のMastodonにはまだなかったのでMastoPaneは未対応でしたっけ)

どんなカスタム絵文字があるのかがサーバ(インスタンス)の特徴の1つになってる気がします。

そんなカスタム絵文字が新しく追加されたときいち早く使いたいものですが、MastodonもMisskeyも「管理者さん(もしくは絵文字管理ロールを持ってる方)が教えてくれる」ことがあまりなくいつの間にか追加されていたり、botが教えてくれたりしていて、アプリで分かるようになるといいなぁと思って作ったのが「新着絵文字」機能です。およそ2~3日おき、または手動でリロードするたびに絵文字の差分を日単位で記録してくれる機能になっています。

この機能も他のアプリではあまり見られない機能かと思います。

アカウントカラー&エイリアス

↑の通りです。投稿画面やいいね、BT/RN確認画面の配色も変わるので「誤爆防止」にもめちゃめちゃ役立ちます。

カラーラベル

TwitPaneから引き続き搭載している機能の一つです。元々は Twitter クライアントの twicca にあった機能を搭載したものです(twicca愛用していました)。

ユーザー毎にカラーを割り当てて、タイムラインの左側に表示することで「友達」「趣味友」などのクラスタ識別をしやすくするための機能です。

下記はカラーラベル+チャンネルカラーの例です。

前後の投稿検索(BT/RN一覧からの検索)

Twitter(おっとX)に限らずMastodonやMisskeyでも「ブースト/リノートしたあとに自分の感想・意見を書く」というスタイルは多いですね。 引用するほどでもないというときに気軽にそういう投稿の仕方をするわけですが、元の投稿をした人には届きにくいですよね。

そんな風に、自分の投稿をブースト/リノートしてくれた人が次にどんな投稿をしているのかを検索する機能が「前後の投稿検索」機能です。

いわゆるエゴ検索支援の一つかもしれません。絵描きさんが「自分の投稿の感想を知りたいな」というときに活用してると聞いたとこともあります。

「BT/RNで流れてきた投稿のその前後を知りたい」といった用途にももちろん使えます。

ブースト/リノートしたユーザー一覧からも右側のボタンから前後投稿検索ができるのではかどります。

BT/RNの通知のメニューからもできます。

その他のおすすめ機能

他にも下記の機能もおすすめです。

  • いいね、ブースト/リノート時にサブアカウントから実行できる機能
  • 下書き・投稿履歴
  • よく使うハッシュタグの一覧、記憶機能、ピン留め機能
  • カスタム絵文字ピッカー、デッキをD&Dで編集できるぞ

MastoPane と ZonePane のプロジェクト管理の違い

※本節はアプリ内部の開発上の話なので興味ある方だけ読んでください!

MastoPaneは 2017年頃のいわゆる「第一次Mastodonブーム」に誕生した TwitPane の兄弟アプリです。

当時はTwitPane開発から4年目ということでまだまだ進化が激しいこともあり、MastoPaneは「TwitPaneのソースコードを丸々コピーし、Twitter機能をMastodon機能に置き換える」形でスタートしました。そのため、TwitPaneの変更にMastoPaneが置いて行かれる結果となりました。 (後に2020年の騒動でPlayストアからも消えることになりました)

2023年2月時点においては、TwitPane自体の「ProductFlavorの廃止とマルチアプリ化」が完了していたこともあり、「TwitPaneプロジェクトのアプリの1つとして」ぞーぺんの開発に着手することが出来ました。いわば「無料版や有料版といったエディションの1つとしてぞーぺんが存在する」ような形です。

その後、今年いっぱいはぞーぺんの開発が主になるわけですが、ソースコードを同一プロジェクトとしたおかげで、ぞーぺんに搭載した様々な機能、例えばアカウントカラー機能やアカウントエイリアス(別名)機能などは逆に「ついぺんリサーチR」にもそのまま導入することができました。

余談ですが同一プロジェクトで管理しているため1行のgradleコマンドで下記7種類のアプリを一気に作成することが可能です。

  • TwitPane 無料版(apk+aab)
  • TwitPane 有料版(apk+aab)
  • TwitPane Kindle Edition (apk)
  • TwitPane Limited (apk)
  • ついぺんリサーチR
  • ぞーぺん (apk+aab)
  • たいぺん (apk+aab)

たいぺんはデビュー待ちのかわいい子です。

最後に

先週の12/14(木)頃からThreadsのActivityPub接続が徐々に始まり、MastodonやMisskeyなどのいわゆるFediverse側ともつながり始めています。 いわばThreadsという大波がやってくる嵐の前といった状況ですが、2024年もぞーぺんくんと一緒に楽しく過ごせていってもらえると嬉しいなぁと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。ちょっと早いですがメリークリスマス&良いお年を。

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